ヤギばぁのひとりごと 〜さぬきの心をつなぐ〜
目的明確・力無限 ~サンカフェで心が動いた日~
先日、サンケアで「サンカフェ」を開催しました。
地域の方にお越しいただき、認知症について知ってもらう場です。
今回は第一回目ということで、来てくださったのは、現在デイサービスをご利用中の奥様と、そのご主人様のお二人でした。
始まりは和やかに。認知症の学びの時間のあとは、ゆっくりと座談会を行いました。
そのなかで、奥様のこんなお話を聞かせていただきました。
若いころ、ご夫婦でカナリアを飼っておられたそうです。ご主人様が特に大切にされていたカナリア。ある日、昼間に家を空けて戻ってくると、なんと鳥かごの中にカナリアの姿はなく、代わりにそこには一匹の蛇がいたとのこと。
奥様は驚きながらも、その蛇を捕まえ、足で押さえ、そしてなんと、カナリアを助け出すためにハサミで蛇を切ったのだそうです。
そのお話を聞いたとき、私はただただ驚きました。女性の力とか、年齢とか、そういう枠を超えて、「ご主人の大切なものを守りたい」「カナリアの命を助けたい」という強い思いが、奥様を動かしたのだと思います。
人は、目的が明確であれば、方法は無限にある。
この出来事は、その言葉の意味を私の心に深く刻みました。
カナリアは、助け出されたときにはまだ生きていたそうです。ですが、ご主人が帰宅し、その手のひらに抱かれたとき、静かに息を引き取ったとのこと。
きっとカナリアにとっても、ご主人にとっても、奥様のとっさの行動と、深い愛情が届いたのではないかと思います。
人の力は、誰かを想うとき、想像以上の強さを発揮する。
それは年齢や性別に関係なく、まっすぐな「目的意識」から生まれるものだと改めて感じました。
サンカフェでの何気ない語らいの中に、大切な学びと感動がありました。これからも、こうした心が動く場を、地域の皆さまと共に重ねていきたいと思います。


株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。