ヤギばぁのひとりごと 〜さぬきの心をつなぐ〜
「もったいない」を「おいしい」に変えて──裂けたトマトがつなぐ地域の力
私は今、地域の農家さんから、商品にならない裂けたトマトの新しい活用法に取り組んでいます。さぬき市にはたくさんの素晴らしい農家さんがおられますが、収穫期に雨が降ると、せっかく育てたトマトが裂けてしまい、市場に出せなくなることがあります。でも、そのトマトは決して味が劣っているわけではなく、むしろ完熟していてとても甘く、おいしいのです。
最初に私が取り組んだのは、お水を一滴も使わない「濃厚トマトジュース」づくりでした。裂けたトマトを丁寧に処理し、ぎゅっと濃縮して作ったジュースは、まさに自然の恵みそのものでした。その味は想像以上においしく、これは「商品にならないトマト」ではなく、「特別なトマト」だと気づかせてくれました。
次に挑戦しているのが、ドライトマトづくりです。裂けたトマトは放っておくとすぐに傷んでしまいますが、さぬき市内の農家さんから直接受け取り、すぐに事業所の食品乾燥機で乾燥させることで、旨味が凝縮されたおいしいドライトマトができます。これにほんの少しの塩をふりかけて、「塩ドライトマトフルーツ」にしました。
この塩ドライトマトは、暑い夏にぴったりの熱中症対策にもなる健康的なおやつです。食べると、自然の甘さと塩味が絶妙に広がり、体に元気が湧いてくるような感覚があります。
私が目指しているのは、ただの商品づくりではありません。もったいないとされていたものに新たな命を吹き込み、農家さんの努力が無駄にならないようにすること。そして、地域の資源を活かし、さぬき市全体が元気になれるような取り組みです。
裂けたトマトから始まったこの挑戦。これからも地元の方々と力を合わせ、「おいしいもったいない」を広げていきたいと思っています。



株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。