ヤギばぁのひとりごと 〜さぬきの心をつなぐ〜
~切らずに、つなぐ~
外に置いていた、ヤギの柵を作るための水糸が、地域猫のいたずらでぐちゃぐちゃに絡まってしまいました。まず最初に、それを見た息子がチャレンジしてくれました。自分なりに一生懸命向き合ってくれて、どうにか解こうと頑張ってくれました。でも途中から、どうしても解けないほどの絡みになってしまい、息子は「もうダメなところから切ったらいいよ」と言いました。
そこから私が引き継ぎました。「どうしても切りたくない」という気持ちが強く、粘って、粘って、手を止めずに解き続けました。息子が試みた後のその絡みを、私が受け継ぎました。気づけば、全体で6時間以上が経っていました。夜中、時計の針が12時近くを指していても、私はまだその水糸と向き合っていました。途中、息子が「おかん、まだやってんの?」と驚いた声をかけてきましたが、それでも私は手を止めませんでした。やっと時間をかけ解けました。心に折れそうでしたが、解けました。
先日、私が所属する会で、大きな壁に直面しました。立場や考え方の違いから、どう進んでいけばいいのか、みんなでたくさん話し合いました。関係を終わらせるのではなく、どうすればもう一度心を寄せ合い、目的を明確にして前に進んでいけるのか。そんな問いかけがそこにありました。私は、切るのではなく、より良い方法考え、つないでいくことを選びたいと思いました。
だからこそ、水糸も、関係も、あきらめたくなかった。時間がかかっても、無理だと思っても、努力すれば解けるものがあると信じたかったのです。
絡んだ水糸。その糸を大切に思う気持ちは、周りの小さなことも守る気持ちにも通じます。買い直した方が早くて安いかもしれません。でも私は、向き合うこと、諦めないことを選びました。小さなことかもしれませんが、自分の信念に従い、最後までやり抜いた自分を、少しだけ褒めたいと思います。
私はこれからも、つながりを大切に、コツコツと続けていきたいと思います。切るのではなく、解いていく人生を歩みたいと、心から思いました。




株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。