みまもりコラム

【離れていても安心】高齢者を守る見守り機器の種類と選び方を解説

離れて暮らす親や一人暮らしの高齢者のことを思うと、「今日も元気に過ごしているかな」「何かあったときにすぐに気づけるかな」と心配になることはありませんか?高齢化が進む現代では、こうした不安を抱える家族が増えており、安心して見守ることができる方法が求められています。

そんな中で注目されているのが、高齢者見守り機器です。技術の進歩により、離れていても日常の様子を確認したり、緊急時にはすぐに対応できるような仕組みが整ってきました。センサーやカメラ、ウェアラブル端末など、さまざまなタイプの機器が登場し、それぞれが異なる特徴と役割を持っています。

この記事では、高齢者見守り機器の種類や特徴、選び方のポイント、実際の活用方法について詳しく解説します。家族の安心と高齢者の自立を両立させるために、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

Table of Contents

高齢者見守り機器の役割と必要性

高齢化社会の現状と見守りニーズ

急速に進む高齢化の実態

日本の高齢化率は29.1%に達し、65歳以上の人口は3,625万人を超えています。 特に注目すべきは、高齢者の単身世帯や夫婦のみ世帯の増加です。これにより、日常的に家族が側にいない高齢者が増え、安否確認や緊急時の対応が重要な課題となっています。

従来の見守り方法の限界

従来は電話での安否確認や定期的な訪問が主な見守り手段でしたが、これらの方法には限界があります。電話に出ない場合の判断や、24時間体制での見守りは現実的ではありません。また、高齢者自身も「迷惑をかけたくない」という思いから、体調不良を我慢してしまうケースも少なくありません。

見守り機器が果たす役割

日常の安否確認

センサーやカメラを通じて、高齢者の日常的な活動を把握できます。いつものように起床しているか、食事をとっているか、適度に動いているかなど、生活リズムの変化に気づくことができます。

緊急時の早期発見

転倒や急病などの緊急事態が発生した際に、自動で検知して家族や介護者に通知する機能があります。 高齢者が自分で連絡できない状況でも、迅速な対応が可能になります。

コミュニケーションの促進

カメラ付き機器では双方向の会話ができるため、日常的なコミュニケーションのツールとしても活用できます。孤独感の軽減や精神的な支えにもなります。

医療・介護サポート

服薬管理や健康データの記録など、医療や介護に関連する情報を管理できる機器もあります。定期的な通院や投薬スケジュールの把握にも役立ちます。

社会的背景と市場の拡大

政府による普及促進

介護ICT・見守り機器市場は2023年度で約350億円規模に成長しており、 政府の補助金制度や介護報酬の算定要件としても認められるようになりました。これは、見守り機器が単なる便利グッズではなく、社会インフラとしての価値が認められていることを示しています。

補助制度の充実

厚生労働省では介護ロボットの開発・普及促進を進めており、見守り機器の導入に対する補助制度も整備されています。都道府県レベルでも独自の助成制度を設けているところが多く、導入のハードルは年々下がってきています。

主な見守り機器の種類と特徴

高齢者見守り機器は、設置方法や検知方式によっていくつかのタイプに分類できます。それぞれに特徴があり、利用環境や見守りの目的に応じて適切な機器を選ぶことが大切です。

センサー型見守り機器

家屋内センサー型

部屋に設置したセンサーが人の動きを検知し、生活パターンを把握するタイプです。ドアの開閉、照明のオンオフ、電気ポットの使用状況などから、日常の活動を読み取ります。

ALSOKの「HOME ALSOK みまもりサポート」では、空間センサーやタグ、安否確認ボタンを組み合わせて総合的な見守りを実現しています。設置が簡単で、高齢者の行動を制限することなく自然な見守りができるのが特徴です。

ベッドセンサー型

ベッドの下や上に設置するセンサーで、就寝・起床時間、睡眠の質、離床状況などを検知します。夜間の見守りに特に有効で、徘徊や転倒のリスクを早期に発見できます。

PICLIA WatchOverSmartのようなベッドセンサーは、感知方式が精密で集中モニタ機能も備えており、介護施設での活用も進んでいます。

ウェアラブル離床センサー型

身体に装着するタイプのセンサーで、より詳細な行動を把握できます。「守ってね DTF-305」のような背面装着型は、加速度と気圧の併用により、離床だけでなく姿勢の変化も検知できます。

カメラ型見守り機器

固定型カメラ

部屋に設置したカメラで映像による見守りを行います。リアルタイムで様子を確認でき、異常があればすぐに気づくことができます。プライバシーへの配慮として、必要な時だけ映像を確認できる機能や、シルエット表示機能を備えたものもあります。

会話機能付きカメラ

マイクとスピーカーを内蔵し、双方向の会話ができるタイプです。見守るだけでなく、日常的なコミュニケーションのツールとしても活用できます。緊急時には即座に声をかけて状況を確認できるため、適切な対応につなげやすくなります。

追尾機能付きカメラ

人の動きを自動で追跡するカメラで、広い部屋でも死角を作らずに見守ることができます。AIを活用した機種では、転倒や異常な動きを自動で検知し、通知する機能も備えています。

緊急通報機器

ペンダント型緊急通報装置

首から下げるペンダント型の装置で、緊急時にボタンを押すことで家族や警備会社に通報できます。セコムの「高齢者見守りプラン」のように、通報から駆けつけまでの一連のサービスを提供する会社もあります。

据え置き型緊急通報装置

電話機のそばや、よく過ごす場所に設置するタイプです。大きなボタンで操作しやすく、音声による案内機能を備えたものもあります。

スマート機器連携型

IoT家電連携型

既存の家電製品と連携して見守りを行うタイプです。電気ポット、照明、エアコンなどの使用状況から生活パターンを把握し、異常があれば通知します。新たに機器を設置する必要がないため、導入のハードルが低いのが特徴です。

スマートフォン・タブレット型

専用アプリをインストールしたスマートフォンやタブレットを使用します。GPS機能で外出時の位置情報を共有したり、定期的な安否確認メッセージに応答したりする機能があります。

3D赤外線室内センサー

最新技術の活用

最新の技術として、3D赤外線センサーを使用した見守り機器も登場しています。TAISコード01949-000003のような機器では、3次元で人の位置を把握し、転倒や異常な姿勢を検知してポップアップ通知を送る仕組みになっています。

プライバシーを保護しながら精密な見守りができるため、今後の普及が期待されている技術です。

機器を選ぶ際のチェックポイント

高齢者見守り機器を選ぶ際は、機能や価格だけでなく、使う人の状況や環境に合わせた検討が重要です。以下のポイントを参考に、最適な機器を選びましょう。

高齢者本人の意思と受容性

本人の理解と同意

まず何より大切なのは、見守られる高齢者本人の理解と同意を得ることです。 「監視されている」と感じさせないよう、なぜ必要なのか、どのような機能があるのかを丁寧に説明し、納得してもらうことが長続きの秘訣です。

操作の複雑さ

高齢者にとって操作が複雑すぎる機器は、結局使われなくなってしまいます。ボタンの数が少ない、画面が見やすい、音声ガイドがあるなど、直感的に使えるかどうかを重視しましょう。

日常生活への影響

機器の設置や使用により、普段の生活が制限されることがないかも重要なポイントです。自然な生活の中で見守りができる機器を選ぶことで、ストレスを減らすことができます。

見守りの目的と必要な機能

安否確認の頻度

毎日の生活リズムを把握したいのか、緊急時の対応に重点を置くのかによって、必要な機能が変わります。日常的な見守りには活動センサー、緊急時対応には通報機能やカメラが適しています。

対応時間

24時間体制で見守りたいのか、特定の時間帯だけでよいのかも考慮が必要です。夜間の見守りが重要な場合は、赤外線カメラや離床センサーが有効です。

通知方法

スマートフォンへの通知、メール、電話など、どの方法で連絡を受け取りたいかも重要です。複数の家族で情報を共有したい場合は、一斉通知機能があると便利です。

設置環境と技術的要件

インターネット環境

多くの見守り機器はインターネット接続が必要です。Wi-Fi環境がない場合は、モバイル通信機能付きの機器や、通信環境の整備も含めて検討する必要があります。

政府の介護テクノロジー導入支援事業では、Wi-Fi整備と見守りセンサーのセット導入に対する補助制度もあります。

電源確保

常時稼働する機器では、停電時の対応も考慮が必要です。バッテリー内蔵型や、UPS(無停電電源装置)の併用を検討しましょう。

設置場所の制約

賃貸住宅の場合は、壁に穴を開けるような工事が制限される場合があります。工事不要で設置できる機器を選ぶか、大家さんの許可を事前に取っておくことが大切です。

セキュリティとプライバシー保護

データの暗号化

映像や音声データが外部に漏れることのないよう、通信の暗号化やデータの保護機能が備わっているかを確認しましょう。 CCDSの「スマートホーム編 セキュリティガイドライン 2023」を参考に、リスク分析を行うことも重要です。

アクセス権限の管理

誰が映像や情報を見られるのか、アクセス権限を適切に管理できるかも重要なポイントです。家族間でも、見られる時間や範囲を設定できる機器を選ぶと安心です。

プライバシーモード

入浴やトイレなど、プライベートな時間は見守りを停止できる機能があると、高齢者の心理的負担を軽減できます。

費用対効果と持続可能性

初期費用と月額費用

機器の購入費用だけでなく、月額の通信費やサービス利用料も含めて総費用を計算しましょう。補助金制度を活用できる場合は、その条件や申請方法も確認が必要です。

サポート体制

故障時の対応や、操作方法の問い合わせに対するサポート体制も重要です。高齢者でも分かりやすい説明をしてくれるか、必要に応じて訪問サポートがあるかなども確認しましょう。

将来の拡張性

健康状態や生活環境の変化に応じて、機能を追加したり変更したりできるかも考慮点です。モジュール式で機能を追加できる機器や、複数の機器を組み合わせられるシステムを選ぶと長期的に活用できます。

家族や介護者が活用するための工夫

見守り機器を導入したからといって、すぐに効果的な見守りができるわけではありません。家族や介護者が上手に活用するための工夫や運用方法を知ることで、機器の価値を最大限に引き出すことができます。

導入前の準備と設定

家族間での役割分担

見守り情報を受け取る人、緊急時の対応をする人、定期的な安否確認をする人など、家族間で役割を明確に決めておきましょう。 複数の人が同じ通知を受け取ると混乱する場合があるため、連絡体制を整理することが大切です。

緊急時対応マニュアルの作成

機器から異常の通知があった場合の対応手順を事前に決めておきます。まず本人に連絡を取る、近所の人に確認を依頼する、必要に応じて救急車を呼ぶなど、段階的な対応フローを作成しておくと、慌てずに対処できます。

近隣との連携

機器だけに頼らず、近所の人との関係も大切にしましょう。機器が故障した場合や、緊急時により迅速な対応が必要な場合に、近隣の協力を得られると安心です。

日常的な活用方法

生活パターンの把握

最初の数週間は、高齢者の普段の生活パターンを把握することに重点を置きましょう。起床時間、食事時間、外出頻度などを記録し、「いつもと違う」状況を判断するための基準を作ります。

段階的な通知設定

すべての異常を即座に通知するよう設定すると、誤報が多くなり疲弊してしまいます。軽微な変化は記録のみ、中程度の変化は遅延通知、重大な変化は即時通知など、段階的に設定することで効率的な見守りができます。

コミュニケーションツールとしての活用

会話機能付きカメラの場合は、見守りだけでなく日常的なコミュニケーションのツールとして活用しましょう。毎朝の挨拶や、夕方の声かけなど、定期的な交流が孤独感の軽減につながります。

データの分析と健康管理

活動量の変化の把握

センサーで取得した活動量のデータを定期的に確認し、徐々に活動量が減っている、睡眠時間が変化しているなどの長期的な変化を把握しましょう。これらの情報は、医師への相談時にも有用なデータとなります。

服薬管理との連携

薬を飲む時間になったら声をかける、薬を飲んだかどうかを確認するなど、服薬管理と見守り機器を連携させることで、より包括的なケアができます。

医療機関との情報共有

定期的な通院の際に、見守り機器で得られたデータを医師と共有することで、より適切な診断や治療方針の決定に役立てることができます。

トラブル防止と対応

プライバシーへの継続的な配慮

機器の導入後も、高齢者のプライバシーに対する感情の変化に注意を払いましょう。不快に感じている様子があれば、設定の見直しや運用方法の変更を検討します。

機器の定期的なメンテナンス

カメラのレンズ清拭、センサーの動作確認、バッテリーの交換など、定期的なメンテナンスを怠ると、必要な時に機器が正常に動作しない可能性があります。メンテナンススケジュールを作成し、確実に実行しましょう。

システムのバックアップ

一つの機器に完全に依存するのではなく、複数の確認手段を用意しておくことが大切です。機器の故障や通信障害があっても、別の方法で安否確認ができるよう準備しておきましょう。

介護施設での活用

スタッフの負担軽減

介護施設では、見守り機器を活用することでスタッフの見回り頻度を最適化し、より質の高いケアに時間を使えるようになります。夜間の見守りでは特に効果的で、必要な時だけ訪室することで、入居者の睡眠も妨げません。

記録の効率化

機器で記録されたデータを介護記録と連携させることで、記録業務の効率化が図れます。また、家族への報告時にも、具体的なデータに基づいた説明ができるため、信頼関係の構築にもつながります。

事故防止と原因分析

転倒などの事故が発生した場合、録画された映像を分析することで原因を特定し、再発防止策を検討できます。これにより、施設全体の安全性向上にも貢献します。

まとめ

高齢者見守り機器は、離れて暮らす家族の安心と高齢者の安全を両立させる重要なツールとして、その役割はますます大きくなっています。センサー型からカメラ型、緊急通報型まで、さまざまなタイプの機器が登場し、それぞれが独自の特徴と利点を持っています。

機器を選ぶ際は、高齢者本人の意思と受容性を最も重視し、 見守りの目的、設置環境、セキュリティ、費用対効果を総合的に検討することが大切です。特に、プライバシーへの配慮と操作の簡便性は、継続的な利用のために欠かせない要素です。

また、機器を導入するだけでなく、家族間での役割分担、緊急時の対応体制、日常的な活用方法を事前に検討し、計画的に運用することで、見守りの効果を最大化できます。医療機関や近隣との連携も含めた総合的なサポート体制を構築することで、高齢者が安心して自立した生活を続けられる環境を整えることができます。

政府の補助制度や介護報酬の算定要件としても認められている見守り機器は、今後さらに普及し、技術的にも進歩していくことが予想されます。AIを活用した異常検知、より自然なコミュニケーション機能、プライバシー保護技術の向上など、将来的にはより使いやすく効果的な機器が登場するでしょう。

大切な家族の安全と安心のために、見守り機器の導入を検討されている方は、まず家族全員で話し合い、どのような見守りが必要かを明確にしてから、適切な機器を選択してください。 機器は手段であり、目的は家族みんなが安心して過ごせることです。この記事が、そのための第一歩として役立てば幸いです。

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株式会社サンケア
代表 山下裕子

私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。

社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。

「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。

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