みまもりコラム

【費用が不安な方へ】高齢者見守りカメラに使える介護保険とは?

高齢化社会が進む中で、離れて暮らす家族の安心を支える見守りカメラへの関心が高まっています。「導入を検討しているけれど費用が心配」「介護保険で何か補助を受けられるのだろうか」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、高齢者見守りカメラと介護保険の関係は複雑で、すべての機器が保険適用になるわけではありません。しかし、条件を満たせば補助金制度を活用できるケースもあり、適切な知識を持つことで費用負担を軽減しながら導入することも可能です。

この記事では、高齢者見守りカメラと介護保険の関係性を詳しく解説し、利用できる制度や補助金、導入時の注意点、具体的な手続き方法まで幅広くご紹介します。家族の安心と経済的な負担の両立を目指す方に、ぜひ参考にしていただければと思います。

Table of Contents

介護保険と高齢者見守りカメラの関係性

介護保険制度の基本的な仕組み

介護保険でカバーされるサービスの範囲

介護保険制度は、高齢者の日常生活を支援するためのさまざまなサービスを提供していますが、すべての機器やサービスが対象となるわけではありません。基本的には、日常生活の自立を支援し、介護負担を軽減することを目的とした用具やサービスが対象となります。

従来の介護保険では、福祉用具の貸与や購入に対する給付が中心でしたが、近年は技術の進歩に伴い、IoT機器や見守りシステムに対する考え方も変化してきています。

見守りカメラの位置づけ

高齢者見守りカメラは、従来の福祉用具とは異なる新しいカテゴリーの機器として扱われています。 そのため、一般的な福祉用具貸与の対象にはならないケースがほとんどですが、特定の条件下では補助制度の対象となる場合があります。

重要なのは、見守りカメラが「介護の質の向上」や「介護者の負担軽減」にどの程度貢献するかという視点で評価されることです。単なる防犯カメラとしての使用では対象外となりますが、介護に関連した用途であれば検討の余地があります。

法的根拠と制度の変遷

介護ロボット等導入支援特別事業

厚生労働省では「介護ロボット等導入支援特別事業」を通じて、見守りシステムを含む介護関連機器の導入を支援しています。この制度では、見守りカメラ1台につき最大10万円(20万円未満の機器は購入価格の1/2が上限)の補助を受けることができます。

ただし、この補助制度は主に介護施設や事業所を対象としており、個人の家庭での利用については別途検討が必要です。

2025年度の制度改正動向

2025年度の介護ロボット・ICT補助金制度では、自治体の裁量による運用拡大が予定されており、個人宅での見守り機器導入に対する支援も一部地域で始まっています。各自治体の補助制度も充実してきており、国の制度と併せて活用することで、より手厚い支援を受けられる可能性があります。

福祉用具貸与との関係

特定福祉用具購入の適用可否

介護保険の福祉用具貸与制度では、車いすやベッドなどの貸与が行われていますが、見守りカメラは基本的にこの対象外となります。しかし、特定福祉用具購入の枠組みでは、安全確保や介護負担軽減に寄与する機器として認められるケースがあります。

令和6年度の介護報酬改定により、福祉用具の定義が一部拡張され、従来は対象外だった機器についても個別審査による認定が可能になりました。

訪問介護との併用可能性

見守りカメラの導入と訪問介護サービスを併用する場合、介護報酬の算定において一定の配慮がなされることがあります。特に、カメラによる状況確認が訪問介護の効率化や質向上に寄与する場合は、サービス提供事業者にとってもメリットがあります。

介護保険で補助が受けられるケース

高齢者見守りカメラの導入において、介護保険や関連制度から補助を受けられるケースは限定的ですが、条件を満たせば経済的な支援を受けることが可能です。

施設・事業所での導入支援

介護施設における補助制度

介護施設や訪問介護事業所が見守りカメラを導入する場合、介護ロボット等導入支援特別事業の対象となり、購入費用の一部補助を受けることができます。 対象となる機器は、入居者や利用者の安全確保、介護業務の効率化に資するものに限定されます。

補助額は機器1台につき最大10万円で、20万円未満の機器については購入価格の1/2が上限となります。複数台導入する場合は、それぞれについて申請が可能ですが、施設全体での上限額が設定されている場合があります。

申請要件と審査基準

補助を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります:

  • 介護保険法に基づく指定を受けた事業所であること
  • 導入する機器が介護業務の改善に直接的に寄与すること
  • 職員研修や運用マニュアルの整備が計画されていること
  • 導入効果の測定と報告が可能であること

個人宅での導入支援

自治体独自の補助制度

一部の自治体では、高齢者の在宅生活を支援するため、見守り機器の導入に対する独自の補助制度を設けています。これらの制度は介護保険とは別枠で運用されることが多く、所得制限や年齢制限などの条件が設定されています。

例えば、東京都の一部自治体では、75歳以上の一人暮らし高齢者を対象に、見守りサービスの利用料補助を行っています。補助率や上限額は自治体により異なりますが、月額利用料の50%~70%程度を補助するケースが多く見られます。

地域包括支援センターとの連携

地域包括支援センターを通じて申請することで、見守り機器の導入に対する支援を受けられる場合があります。 特に、要支援・要介護認定を受けている方や、認知症の診断を受けている方については、優先的に支援を受けられることがあります。

医療的ケアとの関連

在宅医療との連携

在宅で医療的ケアを受けている高齢者の場合、見守りカメラの導入が医療安全の向上に寄与するとして、医療保険や介護保険の枠組みで一部費用補助を受けられることがあります。特に、インスリン注射や在宅酸素療法を行っている方については、安全管理の観点から導入が推奨される場合があります。

医師の意見書による申請

かかりつけ医から見守り機器の必要性を示す意見書を取得することで、介護保険の特例的な適用を受けられるケースがあります。この場合、機器の導入が利用者の安全確保や家族介護者の負担軽減に必要不可欠であることを医学的根拠をもって示す必要があります。

技術的要件と認定基準

認定対象となる機器の条件

補助制度の対象となる見守りカメラには、以下のような技術的要件が設定されています:

  • プライバシー保護機能が備わっていること
  • 緊急時の自動通報機能があること
  • 介護記録との連携が可能であること
  • セキュリティ対策が適切に講じられていること

TAISコードの取得

介護保険関連の補助を受けるためには、TAIS(福祉用具情報システム)コードの取得が必要な場合があります。 これは、福祉用具として一定の品質基準を満たしていることを示すもので、機器メーカーが申請・取得する必要があります。

介護保険を活用する際の注意点

見守りカメラの導入で介護保険や関連制度を活用する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを理解しておくことで、スムーズな導入と適切な制度利用が可能になります。

適用範囲の制限

個人利用の制約

介護保険制度は基本的に施設や事業所での利用を前提としており、個人宅での見守りカメラ導入については制約が多いのが現状です。 特に、単純な安否確認や防犯目的での使用は対象外となることがほとんどです。

個人で申請する場合は、介護の必要性や家族介護者の負担軽減効果を具体的に示す必要があり、ケアマネジャーや医師との連携が不可欠となります。

所得制限と自己負担

多くの補助制度では所得制限が設けられており、一定以上の収入がある場合は対象外となります。また、補助を受けられる場合でも、一定の自己負担が発生することが一般的です。補助率は制度により異なりますが、50%~70%程度の補助が標準的です。

プライバシーと法的な問題

個人情報保護法との関係

見守りカメラの設置・運用には、個人情報保護法や関連ガイドラインの遵守が必要です。 特に、映像データの取り扱いや第三者への提供については、厳格なルールが適用されます。

補助制度を利用する場合は、これらの法的要件を満たすことが条件となるため、機器選定時からプライバシー保護機能を重視する必要があります。

家族の同意と説明義務

見守りカメラの導入にあたっては、本人だけでなく同居家族や関係者の同意を得ることが必要です。特に、認知症の方の場合は、法定代理人による同意が必要となる場合があります。

技術的な制約と互換性

既存システムとの連携

介護保険制度の下で導入される見守りカメラは、既存の介護情報システムや電子カルテとの連携が求められることがあります。このため、機器選定時には技術的な互換性を十分に検討する必要があります。

通信環境の整備

見守りカメラの多くはインターネット接続が必要なため、適切な通信環境の整備が前提となります。 特に高齢者宅では、Wi-Fi環境が整っていない場合が多く、通信回線の新設や変更が必要になることがあります。

一部の自治体では、通信環境の整備についても補助制度の対象としている場合がありますが、機器本体とは別に申請が必要な場合が多いため注意が必要です。

運用と保守の責任

定期的なメンテナンス

補助制度を利用して導入した見守りカメラは、適切な運用と定期的なメンテナンスが義務付けられることがあります。故障や不具合が発生した場合の対応方法や、機器更新時の取り扱いについても事前に確認しておく必要があります。

効果測定と報告義務

多くの補助制度では、導入後の効果測定と定期的な報告が求められます。介護負担の軽減効果や安全性の向上などを数値化して示す必要があり、記録の作成と保管が重要となります。

見守りカメラを導入するための手続き

実際に介護保険や関連制度を活用して見守りカメラを導入する際の具体的な手続きについて、段階を追って解説します。

事前準備と相談

地域包括支援センターでの相談

見守りカメラの導入を検討する際は、まず地域包括支援センターに相談することから始めましょう。 専門の相談員が、利用者の状況に応じて最適な制度や機器を提案してくれます。

相談時には、以下の情報を整理しておくと効率的です:

  • 現在の介護認定の状況
  • 主な介護者と介護の状況
  • 見守りカメラを導入したい理由と期待する効果
  • 住環境や通信環境の状況

ケアマネジャーとの連携

要支援・要介護認定を受けている方の場合、担当のケアマネジャーとの連携が重要です。ケアマネジャーは、見守りカメラの導入がケアプラン全体にどのような効果をもたらすかを評価し、必要に応じて関連機関との調整を行います。

申請書類の準備

基本的な申請書類

補助制度を利用する際に必要となる主な書類は以下の通りです:

  • 補助金申請書(自治体指定の様式)
  • 介護保険被保険者証の写し
  • 住民票の写し
  • 所得証明書
  • 見守りカメラの仕様書・見積書
  • 設置予定場所の図面・写真

医師の意見書

医療的な必要性がある場合は、かかりつけ医による意見書が必要となることがあります。意見書には、見守りカメラの必要性、期待される効果、代替手段がない理由などを記載してもらいます。

機器選定と業者との調整

認定機器の選択

補助制度の対象となる機器は限定されているため、事前に対象機器のリストを確認し、その中から最適なものを選択する必要があります。 機器の性能だけでなく、設置環境や利用者の状況に適しているかも重要な判断基準となります。

設置業者との打ち合わせ

機器の設置には専門的な知識が必要な場合が多いため、認定された設置業者との詳細な打ち合わせが必要です。設置場所、配線方法、ネットワーク設定、操作説明などについて、事前に十分な検討を行います。

申請手続きと審査

申請の流れ

申請書類を準備したら、指定された窓口(通常は市区町村の高齢福祉課等)に提出します。申請から審査結果の通知まで、通常1~2ヶ月程度の期間が必要です。

審査では、以下の点が重点的に確認されます:

  • 申請者の資格要件
  • 機器導入の必要性と妥当性
  • 期待される効果の具体性
  • 予算との整合性

審査結果と契約手続き

審査を通過した場合、補助金交付決定通知書が発行されます。 この通知を受けてから機器の購入・設置を行い、完了後に実績報告書を提出する流れとなります。

補助金の支払いは、多くの場合、設置完了後の後払いとなるため、一時的に全額を立て替える必要があります。

導入後の運用とフォローアップ

初期設定と操作説明

機器の設置が完了したら、利用者や家族に対する操作説明を受けます。特に高齢者の場合は、複数回にわたって丁寧な説明を受けることが重要です。

定期的な効果測定

補助制度を利用した場合、定期的な効果測定と報告が求められることがあります。介護負担の変化、安全性の向上、生活の質の改善などについて、具体的なデータを収集・記録する必要があります。

アフターサポートの活用

多くの機器メーカーや設置業者は、アフターサポートサービスを提供しています。故障時の対応、設定変更、使い方の相談などについて、積極的にサポートを活用することで、長期間にわたって安定した運用が可能になります。

まとめ

高齢者見守りカメラと介護保険の関係は複雑で、すべてのケースで保険適用を受けられるわけではありませんが、適切な条件を満たせば経済的な支援を受けながら導入することが可能です。

重要なポイントは、見守りカメラの導入が単なる利便性の向上ではなく、介護の質の向上や介護者の負担軽減に寄与することを明確に示すことです。 そのためには、地域包括支援センターやケアマネジャーとの綿密な連携が不可欠となります。

また、個人宅での導入については制約が多いものの、自治体独自の補助制度や医療との連携により、支援を受けられる可能性があります。制度は年々充実してきており、2025年度以降はさらに利用しやすくなることが期待されています。

見守りカメラの導入を検討される際は、まず専門機関に相談し、利用可能な制度を十分に調査することから始めましょう。適切な手続きを踏むことで、家族の安心と経済的負担の軽減を両立することができます。

制度や技術は日々進歩しているため、最新の情報を常に確認し、専門家のアドバイスを受けながら、最適な見守り環境の構築を目指していただければと思います。

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株式会社サンケア
代表 山下裕子

私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。

社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。

「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。

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