みまもりコラム
【家族を支える最新術】高齢者見守りサービスを比較|特徴や選び方のポイントを解説

「離れて暮らす親のことが心配」「仕事が忙しくて毎日は様子を見に行けない」——そんな悩みを持つご家族が増えています。高齢の親や祖父母が、できるだけ自立した生活を続けられるようにサポートする方法として、見守りサービスの活用が注目されています。
一口に「見守り」といっても、実はさまざまな方法があります。人が訪ねてきてくれるもの、機械でそっと見守るもの、緊急時に備えたものなど、その種類や仕組みは多岐にわたります。
この記事では、高齢者見守りサービスの主な種類やその特徴、選ぶときの比較ポイント、実際に導入する際の注意点などを、やさしく丁寧にご紹介します。大切なご家族が安心して暮らし続けるために、ぜひ参考にしてみてください。
Table of Contents
高齢者見守りサービスの種類と特徴
高齢の家族を遠くから見守る方法として、さまざまな見守りサービスが広がっています。技術の進化により、これまで以上に柔軟な選択肢が生まれ、家庭の状況や本人の生活スタイルに合わせて組み合わせることも可能になりました。この章では、代表的な見守りサービスの種類とその特徴について、わかりやすくご紹介します。
自宅に訪れることで安心を届ける
スタッフが定期的に自宅を訪ねてくれるタイプの見守りは、いわば一番“人のぬくもり”を感じられる方法です。本人と直接顔を合わせて話ができるため、健康状態のチェックにとどまらず、ちょっとした会話から気分の変化に気づくこともできます。
一方で、訪問時間が限られているため、何かあったときにすぐ対応するのは難しい面もあります。それでも、特に一人暮らしで人との関わりが減ってしまった方には、心の支えになるサービスです。
食事の届けと一緒に見守る
毎日または定期的に届けられる食事や生活用品を通じて行う見守り方法もあります。配達の際に顔を合わせて短い会話を交わすだけでも、相手の様子を確認することができますし、栄養バランスのとれた食事が手に入るという点でも安心です。
ただし、訪問があるのは基本的に一日一回程度であることが多く、緊急時の対応には向いていない場合もあります。それでも、日々のちょっとした変化に気づくきっかけとして、十分な役割を果たしてくれる方法です。
機械を使って緊急時に備える
体調の異変や転倒など、いざというときに備えた仕組みとして人気なのが、ボタンひとつで通報できる緊急通報型のサービスです。首にかけたりポケットに入れたりできる小さな端末を持ち歩くだけで、困ったときに助けを呼べる安心感があります。
ただし、こうした機器を使うには電源や通信の準備が必要で、インターネット環境に慣れていない高齢者には少しハードルがあることも。とはいえ、操作がシンプルな機種も増えており、導入のしやすさは年々改善されています。
離れていても様子がわかる仕組み
最近では、家の中に設置したカメラやセンサーを通じて、遠隔で家族の様子を確認できるサービスが増えています。カメラで映像を確認したり、動きがないときにアラートを受け取ったりと、家にいなくても安心感が得られるのが大きな特徴です。
ただし、カメラを使う場合は「見られている」という感覚が生まれやすく、本人がストレスを感じてしまうこともあります。センサー型であれば、プライバシーに配慮しながら異常に気づくことができるため、さりげない見守りを希望するご家庭に向いています。
外出の多い人を支える仕組み
よく出歩く高齢者や、認知症の進行によって道に迷ってしまうリスクがある場合は、位置情報を活用した見守りが効果的です。GPS機能のついた端末を身に付けることで、現在地をすぐに把握でき、いざというときの早期発見につながります。
一方で、端末を忘れてしまったり、充電が切れてしまうと意味をなさなくなる点には注意が必要です。なるべく負担の少ない形で持ち歩けるような工夫も、サービスを選ぶ際のポイントとなります。
サービスごとの違いと比較ポイント
見守りサービスを選ぶときには、「どの方法が一番良いか」ではなく、「今の生活にどれが合っているか」が大切です。一見似ているようで、実は仕組みや特徴が大きく異なることもあります。この章では、それぞれのサービスの違いを見比べながら、選ぶ際のヒントをお届けします。
見守る方法に注目して選ぶ
ひとことで見守りといっても、その手段はさまざまです。ボタンを押して知らせる方法もあれば、センサーで異常を知らせてくれる仕組みもあります。カメラで映像を確認したり、誰かが実際に家を訪れて様子を見たりと、方式によってできることや得られる安心感が変わってきます。
どの方法が最適かは、高齢者の行動範囲や暮らし方によって異なります。あまり動かない方なら室内のセンサーが役立ちますし、外出が多い方なら屋外での位置情報確認が安心につながります。
緊急時の対応がどこまでできるか
万が一のとき、すぐに対応できるかどうかは、サービスを選ぶうえでとても重要です。ボタンを押すだけで助けを呼べる仕組みは、急な発作や転倒時に心強い存在になります。
ただ、全てのサービスが即時対応できるわけではありません。センサーやカメラは「気づく」力に優れていても、そこからの行動は家族やスタッフに委ねられることが多いです。どこまで自動でカバーできるか、どこから人の手が必要かを見極めておくことが大切です。
人の目と機械の目のちがい
訪問による見守りは、人の感覚や経験に基づいて変化を察知できる点が大きな強みです。対話の中からわかる微妙な違和感は、機械ではまだ完全に補えない部分です。逆に、センサーやカメラは、時間や曜日に関係なく、一定の監視を続けられるというメリットがあります。
このように、見守る対象が「日常の変化」なのか、「非常時の異変」なのかによって、向いている方法が変わります。見守りの目的をはっきりさせることが、最適な選択につながります。
設置や操作のしやすさ
見守りの仕組みを導入する際にネックになるのが、準備の手間や日々の操作です。センサーやGPSなどは初期設定さえ済めば手間が少ない一方で、スマートフォンやアプリを活用するタイプは、高齢者自身が操作に慣れている必要があります。
また、設置場所や電波状況に左右されるケースもあるため、実際の生活環境を想像しながら選ぶことが大切です。簡単に設置できるからといって、使いづらければ結局続けられません。本人の負担にならない仕組みであるかどうかがカギになります。
見守りサービスを選ぶ際の基準
高齢の家族を支える見守りサービスは、多くの選択肢がありますが、すべての家庭に同じものが合うわけではありません。大切なのは、今の暮らしや気がかりな点にぴったり合ったサービスを見つけること。そのために押さえておきたい判断のポイントをご紹介します。
どんなことが気がかりかを明確にする
まずは、どんな心配ごとがあるのかを整理してみましょう。たとえば、急に体調が悪くなったときにすぐに気づけることが大切なのか、それとも普段の生活の様子が把握できれば安心なのか。外出が多い方なら、家の中よりも外での安全が気になるかもしれません。
また、直接人と会って確認してほしいのか、できるだけ負担をかけずに見守ってほしいのかも、サービス選びを左右する大きな要素になります。
費用と続けやすさのバランスを見る
安心を得るために必要なこととはいえ、見守りは長く使っていくものです。最初にかかる費用だけでなく、毎月の支払いが家計に負担にならないかどうかも確認しておくと安心です。
機器の購入が必要なものや、月額料金が高めのものもあるので、「何をどれくらいの期間使いたいか」に合わせて、費用面でも無理のないプランを選びましょう。
家族の暮らし方にも目を向ける
見守りは、本人だけでなく、支える家族の生活とも関係しています。すぐに駆けつけられる距離に家族がいるのか、あるいは遠方に住んでいて物理的な支援が難しいのかによって、必要なサービスの内容も変わってきます。
たとえば、毎日顔を出せる環境なら最低限の見守りでも安心できますが、距離がある場合には、遠くから様子が分かる仕組みの方が向いているかもしれません。家族の状況も含めて選ぶことが、無理のない介護につながります。
導入時に確認すべき注意点
見守りサービスは、導入すればすぐに安心が手に入る…というわけではありません。使いはじめる前に確認しておきたいこと、配慮しておきたいことがいくつかあります。この章では、見守りを始めるときに見落としがちなポイントをわかりやすく解説します。
本人の気持ちにしっかり寄りそう
見守りの目的が「安心して暮らすこと」だとしても、本人が納得していなければ逆効果になることもあります。カメラをつけることに不快感があったり、「見られている」と感じることでストレスになってしまうケースもあります。
そのため、どうして導入するのか、どんなふうに使うのかを丁寧に説明し、無理のない形で合意を得ることがとても大切です。安心のためのサービスが、かえって不安の種にならないよう気をつけましょう。
プライバシーがきちんと守られるか
見守りに関わる機器は、設置する場所や使い方によってプライバシーに大きく関わります。トイレや寝室など、できるだけ見られたくない空間に機器を置いてしまうと、本人の気持ちが追い詰められてしまうこともあります。
また、記録されたデータや映像がどう扱われるのかも確認しておきたいポイントです。家族の都合だけで決めるのではなく、本人の視点を大切にした対応が求められます。
日々の操作や利用が負担にならないか
機械が苦手な方や、目が見えにくくなっている方にとっては、小さなボタンひとつが大きなストレスになることもあります。サービスの内容だけでなく、機器の扱いや操作のしやすさにも目を向けて選ぶことが大切です。
設定がむずかしい場合は、家族やサポートスタッフが事前に試してみたり、訪問による設置支援を受けるなどして、スムーズに使い始められる環境を整えておきましょう。
通信まわりの確認はぬかりなく
最近の見守りサービスは、ネット環境を前提としているものが多くなっています。そのため、Wi-Fiや携帯の電波状況が不安定だと、肝心なときに通知が届かないこともあります。
また、停電や回線トラブルに備えて、予備の手段があるかどうかもチェックしておくと安心です。都市部では問題がなくても、地方や山間部では注意が必要なこともあります。
サポート体制や契約内容を事前に確認する
万が一のトラブルに備え、どこに連絡すればよいか、いつ対応してもらえるかなども見落とさず確認しておきましょう。サービスによっては、夜間や休日の対応が難しいこともあるため、緊急時の連絡体制はしっかり調べておくと安心です。
加えて、料金の仕組みや契約の条件も明確にしておくことが大切です。初期費用に加えて、毎月の支払い、途中解約時のルールや追加オプションの費用など、事前に納得しておくことで、あとからのトラブルを防げます。
まとめ
高齢者の見守りサービスは、単なる“安全のための道具”ではありません。安心して暮らせる環境を整えるための、心と心をつなぐ手段でもあります。訪問型やセンサー型、緊急通報型など、それぞれのサービスには強みと役割があり、誰かの暮らしに寄り添うための工夫が込められています。
重要なのは、利用する本人が「安心できる」と感じられること。そして、家族にとっても「無理なく続けられる」ことです。そのためには、導入前にしっかりと話し合い、本人の気持ちや生活環境に合ったサービスを選ぶことが不可欠です。
この記事を通じて、見守りサービスがどのようなものなのかを知り、ご家庭にぴったりの形を見つけるためのヒントとなれば幸いです。
「見守りの第一歩」として手軽な選択肢を探している方へ

より気軽に見守りを始めたい方には、「LINE見守りサービス」という選択肢もあります。たとえば、スマートフォンを使って毎朝の安否確認ができる仕組みは、操作も簡単で導入のハードルが低く、ご高齢の方にもやさしい設計です。特に遠くに暮らすご家族にとって、通知機能によって異変を早く知ることができる点も安心です。まずはできる範囲から始めたい…そんな方にぴったりの見守り方法です。

株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。