みまもりコラム
高齢者の入浴を安全に!お風呂見守りの方法とおすすめの選び方

はじめに
お風呂に入る時間は、ただ体を清潔に保つだけの時間ではありません。湯けむりの中で心もほっとほどけて、気持ちが落ち着く、そんな大切な時間でもあります。高齢者にとってもそれは同じで、入浴は生活の楽しみのひとつです。
しかし一方で、実はお風呂場は家庭内で最も事故が起こりやすい場所のひとつでもあります。滑りやすい床、急な温度差、のぼせやすさなど、さまざまなリスクがひそんでいます。だからこそ、大切なのは“見守り”の工夫です。
この記事では、高齢者が安全に、そして安心して入浴できるようにするための見守りの方法や、便利な見守り機器の選び方のポイントまで、やさしく丁寧に解説していきます。ご家族の方にも役立つ内容をまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
Table of Contents
高齢者のお風呂見守りの重要性
高齢者が自分らしい生活を送るうえで、お風呂はとても大切な時間のひとつです。身体をきれいにするだけでなく、気持ちを落ち着けたり、体の調子を整えたりする効果もあります。しかし、その一方で事故が起こりやすい場所でもあるのが現実です。この章では、高齢者のお風呂見守りがなぜ必要なのか、その理由について詳しく見ていきましょう。
心と体を整える時間だからこそ
高齢者にとって入浴は、日々の疲れをやわらげ、心をリラックスさせる大切な時間です。温かいお湯に浸かることで血のめぐりが良くなり、筋肉のこわばりがやわらぎます。また、皮膚の清潔を保つことで感染症を防ぐ効果もあります。つまり、入浴は気持ちと体の両方を整える役割を果たしているのです。
事故の多さを知っておこう
しかし、その大切な時間が、思わぬ事故につながることも少なくありません。特に転びやすいお風呂場では、床がぬれて滑りやすくなっているため、ちょっとしたバランスのくずれが転倒につながります。また、長くお湯につかってのぼせたり、急に立ち上がって気分が悪くなったりすることもあります。お風呂に入っているあいだに体調が急に変わることもあるため、注意が必要です。
急な変化が命に関わることも
冬場によく耳にする「ヒートショック」という現象も、高齢者には特に注意が必要です。寒い脱衣所から急に熱いお風呂に入ると、体温の変化にともなって血圧が大きく上下します。これが原因で、心臓や脳に負担がかかってしまうことがあるのです。見守りがない状態では、こうした体の変化にすぐ気づくことができず、対応が遅れてしまう可能性があります。
声かけと確認が安心につながる
お風呂に入る前には、その日の体調を確認することが大切です。血圧や脈拍、顔色などに異変がないかを見て、少しでもおかしいと感じたら無理に入浴させないことが安心につながります。入浴中も定期的に声をかけたり、時間が長くなっていないかを確認したりすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
見守りは自立支援のひとつ
見守るというと「自由を制限すること」と感じてしまうかもしれませんが、実はその逆です。安全に入浴できるようサポートすることで、高齢者自身が自分らしい暮らしを続けていけるようになります。安心してお風呂に入れるということは、生活の質を保つうえでとても重要なことなのです。
高齢者のお風呂見守りは、事故を防ぐだけではなく、本人の健康と安心を支える大切な取り組みです。
おすすめのお風呂見守り方法
高齢者にとっての入浴は、心と体の健康を保つうえで大切な時間ですが、同時に事故のリスクも高まる場面です。特に一人での入浴は、転倒やヒートショックなどの危険が潜んでいます。ここでは、安心してお風呂の時間を楽しめるようにするための見守り方法をご紹介します。
センサーで見守る仕組み
最近では、浴室内に設置されたセンサーが高齢者の動きを察知し、一定時間動きがない場合に注意を促すシステムが普及してきました。たとえば、入浴中に体の動きが止まった場合、浴室にいる本人に音声で呼びかけを行います。もし応答がなければ、台所などにあるモニターに通知が届くため、家族がすぐに異常に気づくことができます。
この仕組みの良いところは、プライバシーを守りながらも見守りができる点です。カメラなどで映像を見守るのではなく、人感センサーや水位センサーが浴室内の様子を把握してくれるので、安心感とプライバシーのバランスがとれています。
浴槽内の動きを確認する工夫
浴槽にセンサーを設置することで、入浴中の体調変化を察知することも可能です。たとえば、入浴中に意識を失ってしまうと、頭の位置が沈んだままになります。このような異常をいち早く察知することで、事故を未然に防ぐことができます。
なかには、呼吸や脈拍、わずかな体の動きまで感知できる高性能なセンサーも登場しています。これにより、入浴中の異変をリアルタイムで捉え、必要であれば自動的にお湯を抜いたり、家族のスマートフォンに通知を送ったりと、迅速な対応ができる仕組みが整ってきています。
滑らないようにする工夫
見守りと同時に、物理的な事故を防ぐ工夫も大切です。浴室では、床が濡れていたり石けんの泡が残っていたりすることで滑りやすくなっています。こうした状況を防ぐために、滑りにくい床材やマットを使うことも効果的です。
また、浴槽の中に設置する補助具も有効です。たとえば、浴槽と床の段差を解消するためのすのこや、立ち上がりを助けるバスリフトなどがあり、転倒のリスクを減らすのに役立ちます。これらは見守りとは違う方向からのサポートですが、総合的な安全につながります。
ヒートショックに備える工夫
寒暖差が大きい季節には、ヒートショックによる事故も心配です。脱衣所や浴室が寒いと、体が急激な温度変化にさらされて血圧が乱高下し、意識を失ってしまうことがあります。そこで、入浴前に浴室や脱衣所を暖めることがとても大切になります。
さらに、湯温はぬるめに設定し、長湯を避けることも基本の対策です。入浴後はなるべく早く体を拭き、あたたかい部屋で休むようにすることで、体への負担を軽くできます。これらの工夫も、見守りシステムと合わせて取り入れておくと安心です。
家族の声かけでつながる安心
どれだけ機器を使っていても、やはり最後の安心は人の目と心です。入浴前後に体調を確認したり、「今日は寒いからお風呂気をつけてね」といった何気ない声かけをするだけでも、安心感は大きく変わってきます。
入浴中に完全に一人にするのではなく、少し距離を保ちながら見守るスタイルをとることで、本人のプライドを守りながらも、万が一に備えることができます。
安全な入浴を支えるのは、機械だけではありません。毎日の暮らしの中で、見守る側と見守られる側が自然に支え合えるような関係をつくることが、何より大切なのです。
高齢者のお風呂見守り機器の選び方
高齢者の入浴を見守るための機器は、事故防止と安心のために欠かせない存在です。ですが、種類が多く、それぞれに特徴があるため「どれを選べばいいか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。この章では、ご本人の体調や暮らしに合った見守り機器の選び方について、やさしく解説していきます。
利用者の体の状態に合ったものを選ぶ
お風呂見守り機器を選ぶときにまず考えたいのが、使う方の体の状態です。体力に不安がない方には、シンプルな通知機能だけでも十分なことがあります。一方で、足腰が弱ってきている方や体調の変化が心配な方には、動きや体の反応を細かく見守ってくれるセンサーやカメラが適しています。
入浴時に介助が必要な方であれば、立ち座りや移動を助ける介助機器とあわせて使える機器が良いでしょう。見守り機器だけに頼るのではなく、使う人の状態をよく知って選ぶことが、安全で安心なお風呂時間への第一歩です。
見守りの方法に注目する
見守り機器には、カメラで様子を確認するタイプや、センサーで動きや水の量を測るタイプなど、いろいろな仕組みがあります。カメラは異常があった時にその様子をすぐに確認できるというメリットがありますが、プライバシーに気をつかう必要があります。設置場所や映る範囲を工夫して、安心して使える環境を整えることが大切です。
一方、センサータイプは人の動きを検知して異常を知らせてくれるので、見られている感覚が少なく、抵抗が少ないという良さがあります。ただし、異常を細かく察知するには設置の工夫が必要なこともあるため、実際の設置場所をよく考えて選ぶようにしましょう。
緊急時の対応ができるかどうか
見守り機器の役割で大切なのは、異常があったときにすぐに気づいて、助けを呼べることです。そのため、リアルタイムで通知が届く機能や、音声で呼びかけができる仕組みがあると、万が一のときにも安心です。
ただし、本人がボタンを押して知らせるタイプは、発作などで体が動かない時には使えないこともあります。その点では、自動で異常を検知するタイプのほうが信頼性が高くなります。利用者の反応力や状態にあわせて、どのような仕組みが最適かを見極めることが必要です。
取り付けやすさと使いやすさも大事
見守り機器の導入は、「難しそう」と感じる方もいるかもしれません。ですが、最近では設置がかんたんで、特別な工事をしなくても使えるタイプが増えてきました。たとえば、給湯器に対応したリモコン型の見守りセンサーは、すでにある設備に取りつけるだけで見守り機能が使えるものもあります。
また、機器の操作がむずかしいと、結局使われなくなってしまうことも。日常の中で無理なく使い続けられるよう、シンプルな操作で使えるかどうかも確認しておきましょう。説明書だけでなく、実際の使い方を試してみることもおすすめです。
プライバシーを大切にした選び方を
高齢者のお風呂時間は、心と体をほぐす大切な時間です。その時間が「見られている」と感じてしまうと、かえってストレスになることもあります。見守る側が安心することももちろん大切ですが、使うご本人が納得して気持ちよく過ごせるように、プライバシーへの配慮も忘れずにしましょう。
たとえば、カメラの代わりにセンサーを使ったり、通知機能だけでそっと見守る方法を選んだりと、見守りのスタイルは一つではありません。ご本人の気持ちを大切にしながら、どの方法がよいかを家族で話し合って決めると、後悔のない選択ができます。
費用や維持のしやすさもチェック
最後に、気になるのが費用です。機器の価格だけでなく、使い続けるために必要な維持費用にも注目しましょう。中には月額料金がかかるタイプや、専用の通信環境が必要なものもあります。
また、故障やトラブルがあったときに、すぐに対応してもらえるサポート体制があるかも重要なポイントです。費用だけで選ぶのではなく、安心して使い続けられるかどうかもふまえて検討することが、安全な見守りのためのコツです。
お風呂での安心は、毎日の生活の中で得られる大切なもの。誰もが気持ちよく過ごせるように、ご本人と家族、そして周りの支援をバランスよくつなぐ見守り機器を選んでいきましょう。
まとめ
高齢者の入浴は、身体だけでなく心も癒す大切な時間です。しかしその裏には、転倒やヒートショックといった深刻な事故のリスクも潜んでいます。そうした事故を防ぐためには、事前の体調確認や声かけといった見守りに加えて、最新の見守り機器をうまく活用することが大切です。センサーなどを含め、多くの選択肢が存在しています。
大切なのは、使う人の身体の状態や生活環境に合ったものを選ぶことです。見守りは「自由を制限するもの」ではなく、「自立を支える手段」です。この記事が、安全で快適な入浴環境を整えるきっかけになれば幸いです。
毎日の見守りを、もっと手軽に。LINE見守りサービスという選択。

お風呂場での事故リスクを減らすには、センサー機器の導入と同じくらい、日常的な見守りの仕組みが重要です。そこでおすすめなのが「LINE見守りサービス・サンラブライン」。スマホを使ったシンプルな安否確認で、朝の体調の異変に早めに気づくことができます。入浴前の声かけが難しいときでも、LINEでの返信状況から異常を察知し、家族へ自動通知します。入浴時の安心感を、日々の見守りでしっかり支えるサポートとして活用してみませんか?

株式会社サンケア
代表 山下裕子
私たちは、香川県さぬき市で2010年から訪問介護センターとデイサービスを運営しています。
社名「サンケア」は、「我が心で介護を行う」という思いを込めて名付けました。訪問介護やデイサービスを提供する中で、だれもが「大切な時間を自分らしく生きられるようにお支えしたい」という 思いが強くなっていきました。
「今は自立していても、不安なときには誰かに見守ってほしい」そのような方からの声が、寄り添いサービス「サンラブライン」の立ち上げのきっかけです。一人一人の人生を大切に、充実した毎日を 過ごしてもらえるようサポートしていきます。一人暮らしに不安を感じている方、一人暮らしの親を心配する方、お気軽にご相談ください。